収穫時期:周年
古くから食用され、
かつてはマツタケよりも珍重
一般に出ている「しめじ」は、本来「ひらたけ」というキノコだ。日本では、しいたけよりも古くから食用にされ、「今昔物語」や「平家物語」にも登場する。かつての修行僧の間ではマツタケよりも珍重されたきのこだったらしい。
ひらたけ栽培は、山形県では昭和50年代半ば頃から盛んになった。現在の生産量は全国7位の実績を誇る。
栽培手順は、まずオガクズを栄養分と混ぜてびん詰めすることから始まり、植菌、培養、芽出し、発生と各段階ごとに専用室を設けている。
全行程37〜38日、緻密な作業で旨さをつくる
「たとえば、オガクズの粒子の大きさの違いや、栄養の混合割合、温度や湿度が生育に大きく影響します。栽培には非常に気を遣いますね」と生産者。
種菌を植えた後は20度の部屋で培養する。その後、びんをさかさまにして芽出しの環境を作ってからは15度の部屋に置き、発生してからは12〜13度という具合。一方で湿度も、芽出し段階で90%以上、培養時は70〜80%などと、栽培管理は、まさに精密機械のような緻密さが要求されるようだ。こうして栽培の全工程37〜38日を終えると、晴れて収穫、出荷となる。
収穫したばかりのひらたけは、色が濃く、ハリもある。「全体に固く育ったものほど日持ちがし、味や香りも良いようです」とのこと。選ぶ際のご参考に…。
★主な産地★
鮭川村・大蔵村・鶴岡市・新庄市・三川町・米沢市・尾花沢市・遊佐町・ほか