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ホーム知る山形んまいもの探しの旅「ペロリンが行く」 > Vol.3:紅花染め

紅餅を浸した水。今日はこれで紅花染めをするペロ!

よ〜く絞ります。ギュッギュッ!

級長の遠藤美代子さん。紅が本領を発揮する「適温」を見極めています。

さあ、適温になりました!タライにジャバー!

魔法の素、クエン酸を注ぐと…

泡立った〜!!!

そこへとり出したるは白い布、そして重ね染めする藍染めの布。それを…

ジャ〜ン!!これぞ世紀の大魔術!!!鮮やかな紅色に大変身!

水洗いして、仕上げです。皆さん和気あいあいととっても楽しそう!!

『ポンッポンッ、リズミカルな水玉模様、かわいいねえ!この模様、いったいどうやってつけたと思う?』ペ〜ロ〜、なんだろう…う〜ん

『どんな模様が出来てるかなあ?広げるのが楽しみだね、ペロリン!』なんだかきれいでおいしそうだペロ〜。

こんな大判の布も染め上げちゃうペロ。光があたると紅花染めの優しい風合いが引き立つね。

染め上がった自慢の紅花染めと一緒に。紅の明るさに負けないくらい皆さん明るい笑顔だペロ。

こんにちは!ペロリンです。『紅太郎です!』
僕たちはこの夏、河北町で行われた「最上紅花切花展」に行ってきました。太陽のように眩しい花を開かせた、鮮やかで元気な紅花たちに出会いました!紅太郎、この前は紅花の魅力をたっぷり堪能できたよ。紅花のこと、教えてくれてありがとう!
それにしても、最近はずいぶん寒くなったペロね〜。紅花の時期も終わって、今度は紅葉の季節!紅太郎も今年はもう仕事を終えて、お休みペロか?おつかれさまだペロ〜。『いいや〜ペロリン、休んでなんかいられないんだ。今日も最盛期に摘み取られた紅花で紅花染めをするんだよ!』紅花染め!?歴史の教科書で紅花染めの様子を描いた昔の絵を見たことがあるペロ。それを実際にするの?『そうなんだ。いっしょに来るかい?』もちろん行くペロ!

2004.08.24取材 取材地:河北町

日本の歴史文化は紅と共に…

紅花染めを見るために、いざ紅花の里河北町へ向かうペロ!

『では到着するまでに紅花の歴史を少し教えてあげるよ。ペロリンが見た昔の絵はいつの時代だった?』

確か江戸時代だったペロ。ずいぶん昔から紅花が栽培されていたんだね〜。

『ふふふ、ペロリン、何を隠そう紅花の歴史はもっと古いんだ!なんと今からおよそ1500年も前に朝鮮半島から日本に伝えられたんだよ。』

そ、そんな大昔に!?

『紅花の原産地はエチオピア。エジプトからシルクロードを辿り東へとやってきたんだ。花の栽培法だけでなく、同時に生花から染料となる紅餅を作り、そこから鮮やかな紅を取り、美しい紅花染めをする技術も伝来したらしい。
紅の美しさは貴族たちにとっても愛され、彼らの生活を鮮やかに彩ったんだ。衣服の染料を本務とする役所を設けたくらい紅花染めは重要なものだったんだ。そして時は流れ、奈良、平安、鎌倉…いつの時代も紅花は人々に愛されてきた。現在も当時の紅染衣装などが文化財として多く残っているね。
日本の歴史文化と紅花は切っても切り離せない間柄なんだ。』

紅花って、昔から皆に愛されてきたんだねえ。眉掃を俤にして紅粉の花…松尾芭蕉の句だペロよね?

『そう、芭蕉が奥の細道を行脚した時、沿道に咲きほこった紅花を見て詠んだんだ。紅の美しさは人の感受性を豊かにするんだろうねえ。
そんな紅花も、明治になると外国産紅花の輸入や低コストで大量生産の可能な化学染料によって衰退してしまったんだ。けれど紅花のすばらしい文化をなくしてはいけないと立ち上がる人もたくさんいたんだ。ここ河北町は特にね。』

紅花学級

さてさて到着しました!エプロンを付けた女性たちが集まっているよ。紅太郎、ご紹介お願いします。

『今日紅花染めを見せてくれる、河北町文化サークル「紅花学級」の皆さんです。皆さんは紅花染めや草木染めをされているんだ。』

あれ、大きな容器に水に浸った紅花が入っているペロよ。「これは3日前から紅餅を浸したものです。一昼夜過ぎると水が黄色になるので水を取り替えるのですが、その時の黄色い液も染料として使え、それで染めたものを「黄染め」と言います。昨日は3回水を取り替えて黄色を抜きました。これに炭酸カリウムを紅餅100gに対して30g入れて紅を抽出させます。1時間程経ったら袋に入れ、絞ります。これが染め液になります。」そう教えてくれたのは鈴木幹恵さん。紅花学級の級長を長く務められていた方で、紅花染めのエキスパートです。染め液ができるまで手間も時間がかかるんですねえ。「この紅餅は朝早く皆で紅花畑へ行き摘んできたものなんです。それをそれぞれが持ち帰り、すりつぶし発酵させ、干して紅餅にして、こうして持ち寄ったんです。」

驚きの紅染めマジック!

もう一人のエキスパート、級長の遠藤美代子さんに続きを教えてもらうペロ。「液を鍋に移し、35℃に温めます。」どうして35℃なんですか?「冷たくても染まりにくいし、熱すぎると紅は変色してしまうからです。適温になった液は大きなタライに移します。そこに溶かしたクエン酸40gを注ぎます。」クエン酸液が注がれると…シュワワワー、わあ〜っ!いっきに泡立ったペロ!!タライがまるでジェットバスのように細かい泡でいっぱいになったよ!びっくり!「この泡が染め頃の合図です。」

皆さん水に浸けておいた布を軽く絞って、染め液の中に入れました。液の中で布を動かし、紅を付着させていきます。すると、あっという間に白かった布が目にも鮮やかな紅色へと変貌を遂げました。まさにマジックだペロ!「紅花染めは絶対同じものができないんですよ。だからこそ、どんなふうに染め上がるか面白くて皆虜になってしまうんでしょうね。」


皆さん一生懸命だペロ。『ペロリン、見える?どうなってるの!?』

花の状態、紅餅の発酵具合い、染め液の作り方、どんな布をどのタイミングで染めるか、いろいろな条件が重なって、同じものはない、世界にたったひとつの紅花染めが出来上がるんだねえ。
最初に入れた布が染め上がり、第2段、それが終わると続いて第3段目の布が入っていきます。そうしていくうちに、赤かった液の色はだんだんと黄色っぽくなってきました。「紅が少なくなってきたからです。そうなった液には木綿の布を入れます。この状態で絹を入れても染まらないのですが、木綿だと黄色を吸収せずきれいなピンク色に染まります。」白い木綿のハンカチがとても発色の良いピンク色のハンカチに生まれ変わりました。
「染め上がった布はクエン酸を1割程入れた水に10分間浸し、色止めをします。最後に水洗いをし、布を当てて軽くアイロンをかけ完成です。」

雰囲気まで明るく染める、紅花染め

斉藤スミ子さんは今年から紅花染めを始めたそうです。「文化祭などで展示されていた紅花染めを見て、きれいだなあと思ったのがきっかけで、紅花摘みや紅餅作りも体験したくて紅花学級に入りました。皆さんに教えていただいて、いろいろ体験できて感激です。」
「紅花学級ができて15、6年経ちますが、紅花学級ができる前は商売以外で紅花染めをしている所がなかったんです。河北町は紅花の里なのだから、ぜひ紅花染めをやろうと発足しました。今は町の人や観光客の方が気軽に紅花資料館で紅花染めの体験ができるのですが、皆が交代でボランティアとして指導をしにも行っています。勉強にもなるし、なにより紅花染めが面白くて、皆楽しみながら行っています。」とは、紅花学級発足当時から活動されている安藤ときえさん。てきぱきと、みごとに染め上げていきます。

「きれいに染め上がると嬉しくて、友達にあげてしまうんです。だから自分の分がなかったりして。友達にも好評だからまた染めよう、今度はもっときれいに染めようって意欲的になるんですよ。」そう話す皆さんから笑いがこぼれる。

『布を結んだり、糸を巻いたりして「絞り染め」にしたり、割り箸で布を挟み固定して「板染め」にしたり、藍染めした布をさらに紅花で染め「重ね染め」をしたり、皆さんいろいろなアイデアを発揮して個性溢れる作品をつくっているね。』

皆さんとっても楽しそう!大盛り上がりだペロ〜。

現代に息づく紅花染めの心…

時代の波にのまれ、一時は衰退した紅花、そして失われかけていた紅花染め。けれど、ちゃんとここに息づいていました!どこまでも深く優しく包み込む夕日のような色の紅花染めを広げた明るい笑顔の皆さんに、紅花染めの心は宿っていました。

『きっと紅花染めには人を明るくする優しい力があるんだ。だからこそ昔に人に愛された歴史があるんだよ。』

紅花染めをしてみると、その魅力がわかるペロ。ぜひたくさんの人に体験してもらいたいペロ。そして、広がれ!紅の明るい笑顔!!

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