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顔の見える農業

JA山形おきたま/果樹振興会:会長●ぶどう振興部会:部会長 渡部 京一さん

大正時代にはじまったデラウェア栽培。
雨よけハウス導入で栽培面積、出荷量日本一に。

 ここ高畠町の和田地区には大正時代にデラウェアが入り、それまで盛んであった養蚕に変わって広まっていったそうです。
 もともとこの辺り一帯は開墾地帯で稲作には向かない地域でしたので、稲作だけではなく並行してブドウ園を切り開いてきたのですが、露地栽培が中心だった昔は晩腐病(おそぐされ病)による被害等でデラウェアの商品化率は低い状態でした。
 しかし、最近は雨よけハウスの導入と普及により、雨が直接「房」に当たることを避けられ、病気の感染を防ぐことが出来るようになり、デラウェア生産者の意欲も高まり、発展していきました。そして、現在では栽培面積、出荷量ともに日本一となりました。

デラウェア

デラウェアの甘さの秘密は酸の抜け具合。
同じ糖度でも、酸の抜け具合の差で見違える甘さに。

 ここ和田地区のデラウェアは、糖度が高いことを特徴としていますが、それには理由があります。
 通常、雨よけハウスを導入することで、晩腐病(おそぐされ病)等の感染を防ぎ、糖度が上がるのはもちろんなのですが、なによりも酸の抜けが良くなります。
 露地物でも酸の抜けがそれほど良くなくても糖度をある程度上げることは可能ですが、葡萄の甘さを際だたせるには酸の抜け具合が重要です。ハウス物は栽培中安定した環境を保つことが可能なので酸抜けの過程も順調で、結果的に露地物と同じ糖度でも甘さが際だつのです。
 今年からは酸度計を導入し、基準を0.5〜0.4に設け、抜け具合が基準に達するまでは出荷しませんでした。これがデラウェアの甘さの秘密です。

デラウェア

デラウェア

厳しい気候条件を加温ハウスで克服。
早いものでは6月に出荷。9月末まで味わえます。

 和田地区は山形県内でも雪解けが遅く、それに伴いデラウェアの生育も遅いのですが、加温ハウスを導入し生育に不利な条件を補完することで(今年、暖房機40台を導入。)これまでは8月上旬から出荷していたデラウェアが最も早いところで6月19日に出荷できました。
 実は6月初めの段階で色づきは完了しており出荷できる状態なのですが、その時点のデラウエアは糖度は基準に達しているものの、酸が抜けきれておらず若干酸味が強いため、そこから更に熟成させ酸が完全に抜けきってから出荷しました。お客様においしい葡萄をお届けするための私達のこだわりです。
 以前は、早めに収穫したデラウェアを冷蔵庫に保管し、時期をずらして出荷していたりしましたが、収穫の時期が延びたことで、この時期でもとれたてのものを提供することが出来るようになりました。
 出荷時期は6〜9月末までの3ヶ月間となり、出荷時期は長くなりました。

箱

箱詰のデラウェア

派手さはないけれど、広く受入れられている、
デラウェアという品種にこだわっていきたいです。

 早出しのために雪のあるうちから畑に炭の粉をまいたり、除雪機で雪を溶かしたりと苦労があります。デラウエアにジベ処理(ジベレリン処理:果樹の種をなくすためのホルモンを果樹に塗る処理)を施すにしても時期が集中していると家族だけで栽培をおこなっている農家ではとても裁ききれる作業量ではありません。
 しかし、生育ステージを変えることにより、作業の一極集中を避けることが出来るようになり、今まで以上の栽培面積でも対応できるようになりました。
 このような苦労もあり、派手さや高級感では巨峰やピオーレのような葡萄に軍杯があがるかもしれませんが、手ごろな価格で一番食べやすい葡萄といわれ、ワンフィンガーフルーツの代表として広く受け入れられているデラウェアづくりに、私達はこだわりつづけていきたいです。

 

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