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山形のうまいもの

もも|収穫時期:8月〜9月

完成度の高さで評判
新品種も多い「もも」

もも

夏の夜の涼しさが
甘くおいしい桃を育てる

 ももは温暖な気候を好むので、大産地としては山形県がほぼ北限だ。そしてこの県内産のももが、その完成度の高さで評判を呼び、生産量は全国でも5本の指に数えられている。
 ももの原産地は中国の高原地帯で、日本へは弥生時代に入ったらしい。ただし当時のももは、硬く味気のないものだった。その後、時代は進み、明治の初めに欧米や中国から新たな品種を導入。この時の中国の上海水蜜桃や天津水蜜桃という品種が、現在の日本のももの基礎となった。
 8月のもも畑では、ふわっと甘く香しい匂いが鼻をくすぐる。たわわに育った実の重みで、ほとんどの枝が地に着きそうに垂れ下がっている。「あまり強く太い枝では、枝が栄養を吸収してしまい、実まで行き渡らない。実に養分がしっかり届くよう、できるだけやわらかく細い枝にならせることがポイント。」と生産者。「山形県は夏でも夜の気温が低いから甘さが増すんだ」とも。
 一般的に果樹は、光合成により栄養源であるブドウ糖などの糖類を作る。同時にこの糖類は、生理的活動である呼吸作用で消費されてしまう。山形県の内陸では夏でも夜が涼しいため、昼に比べて植物の呼吸が抑制される。その結果、糖類がとどめられ、果実の糖度が上がるしくみだ。
 畑で手渡された、もぎたてをガブリ。甘い香りとたっぷりの果汁が口の中に広がって、得も言われぬ気分。ももの実は約9割が水分だというが、その果汁の瑞々しさは絶品。果肉はほどよい硬さで、なめらかな舌触り。フルーツソースや生クリームで飾り立てたどんなに立派なデザートでも、この味には勝てそうもない。そして、自然を相手にこれだけの味を完成させる技術もすごい。

光センサーで
品質をチェックして出荷

 山形県下一のももの産地東根市では、JAに光センサー選果場を導入。近赤外線を利用するもので、出荷前に果実一つ一つの硬さや糖度などを測定し、規定のレベルに達したものだけを出荷する。
 昨今の県内産ももは、実に品種が多い。定番は実の肉質がち密な「あかつき」、大玉の「川中島白桃」、晩生種の「ゆうぞら」など。生食用の5割を占めるのが川中島白桃で、上品な香りに加え日持ちも良く、食べごたえのある品種。さらに最近人気の「黄金桃」は果皮・果肉とも黄色で、甘みが強く食味がとても良い。また「美晴白桃」は300〜400gと大玉で、糖度は14〜16度と高く、固めの肉質で日持ちも良い。
 さて、一本のももの木には何個ぐらいの実がなるだろうか?…答えが面白い。木の幹の地面から30pの高さの、いわゆる「ウエスト」を測る。実の数は、ウエストサイズ1cmに対して7〜8個が標準。例えば周径60cmであれば、トータルで約420〜480個というわけだ。
 ももは天気の良い日を選び収穫する。雨の日は水分で糖度が下がってしまうため、雨が降ったら1〜2日待ち、甘さを戻してから収穫する。
 また、ももの実の表面を覆う産毛は雨水をはじき、クッションとして自らを守るためのもの。産毛がしっかりしているものほど新鮮である。
 ところで、中国では、ももは悪魔を払う力を持つ「仙木」とされてきた。中国思想の影響か、そういえば日本の桃太郎伝説も悪者退治だ。

もも

もも

DATA

主な産地

東根市・天童市・寒河江市・山形市・朝日町・ほか

主な品種と収穫時期

主な品種と収穫時期

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