ホーム > 知る > 山形んまいもの探しの旅「ペロリンが行く」 > Vol.63:庄内産「北限のすだち」の利用促進
自然豊かな山形は、いろいろな果物が実る「フルーツ王国」。でも北国だから、かんきつ類の栽培は難しいと思っていたら、なんと庄内地域ですだち≠ェ採れると聞いてびっくり。その名も「北限のすだち」ペロよ。
暖かい地域で生産されているすだち≠ェ庄内の冬の寒さに耐えられるの? どんなふうに栽培されているの? 僕の好奇心のアンテナがピッピッピッときたペロね。
そこで、鶴岡市で生産者さんを対象に開かれた「北限のすだち」栽培技術研修会と、将来「食の都庄内」を担う料理人のたまご≠ノ向けた酒田市での産地見学会へ。庄内の新たな食材として注目されている「北限のすだち」について、お勉強してきたペロ〜♪
2024.9.2・9.12取材 取材地:鶴岡市・酒田市
すだち≠はじめ、かんきつ類の多くは暖かい地域が生産地だけど、地球温暖化が進む中、山形県では温暖化に対応できる果樹としてかんきつ類を生産できないか、2010年から8種類の試験栽培を始め、2020年までに14種類の試験栽培に取り組んできたそう。
冬の寒さで枯れてしまった樹種がある中で、寒さに耐えて実がなり、収穫することができたのがすだち=B品質も良いことがわかり、2017年からは地元の生産者さんも栽培するように。庄内地域はすだち$カ産地の北限なので、「北限のすだち」としてブランド化を目指しているペロよ。
「北限のすだち」を栽培している生産者さんは、現在17人。鶴岡市の朝日中央コミュニティセンターで開かれた栽培技術研修会では、山形県庄内総合支庁農業技術普及課産地研究室専門研究員の明石秀也さんが講師となり、すだち≠フ特性や冬の防風対策、栽培管理、出荷基準、貯蔵法、害虫対策など、「すだち栽培の基本」について熱心に学んでいたペロ。
明石専門研究員によると、8月の末から10月頃までがすだち≠フ収穫時期。その日に収穫した5種類の果実を小瓶に入れ、どの香りがどの果樹かを当てる「利きかんきつ」の実習もあって、僕もチャレンジしたペロね。
しっかりお話を聞いた後は現地研修で、鶴岡市熊出にある佐藤勝さんの園地へ。同農業技術普及課課長補佐の石川妙さんの説明を受けながら視察したペロ〜。この園地は佐藤さんら4人の生産者さんで「北限のすだち」の栽培を始め、約300平方メートルの広さに24本の木が植えられているペロ。
ここは冬には不織布を巻いた木がすっぽり隠れるくらい雪が積もるけど、「逆に雪で風から守られて、冬を越しやすい」と佐藤さん。今年は約150キロの収量を見込んでいて、地元のJAや産直施設に出荷するそう。「食の都庄内」の新しい特産品「北限のすだち」を、僕も応援しているペロ!
「北限のすだち」のことをもっと知りたくなった僕は、酒田市浜中にある山形県庄内総合支庁の産地研究室へ。将来、「食の都庄内」を担う料理人のたまご≠スちに向けた産地見学会にやってきたペロ。
酒田調理師専門学校の学生さんたちに「北限のすだち」を使ったメニューを考えてもらうための勉強会で、地域とのつながりを大切に、地元の食材を知って学びや体験に生かしてほしいと開かれたもの。庄内地域ですだち≠ェ育つことを知らない学生さんも多く、貴重な機会になったペロね。
この日は、まず試験圃場(ほじょう)を見学。すだち≠セけでなく、かぼすやゆず、レモン、温州みかんなど7種類のかんきつ類を試験栽培しているペロ。その中でもすだち≠ヘ比較的寒さに強く、収穫量も安定していることから山形県では産地化を進めてきたとか。植えてから10年以上の成木が17本あり、1本の木から約40キロ収穫できるペロよ。
収穫するのにちょうどいい大きさは2Lサイズの直径40ミリほどで、学生さんたちは実を見ながら一人10個ずつ収穫。すだち≠フ木はトゲがあるので注意しながら、丁寧に摘み取りしていたペロ。
見学の後の講義では、実際に薄く切ったすだち≠コップの水に浮かべて香りや味を体感。明石専門研究員から、庄内地域ですだち≠フ生産を始めたきっかけ、栽培状況などの話を聞いて、知識を深めたペロね。「北限のすだち」を使うメニューも、サワーやケーキ、寒鱈のどんがら汁や鴨鍋、天ぷらやフライなどいろいろなアイディアが出て、僕もわくわくペロ!
ほどよい香りで、食材のおいしさを引き立てるすだち=B緑色の小さな実に大きな可能性を秘めた「北限のすだち」を使って、「食の都庄内」ならではの爽やかなおいしさを全国に届けてほしいぺロ♪