「日本なし」
山形県では、なし栽培が古くから行われ、250年以上の歴史があります。
なかでも、山形県庄内地方で「なし」といえば、芳醇な味わいが愛されている「刈屋なし」。一度食べた人は、繰り返し買い求めるほど人気があります。
2022年8月25日掲載
山形県では、なし栽培が古くから行われ、250年以上の歴史があります。
なかでも、山形県庄内地方で「なし」といえば、芳醇な味わいが愛されている「刈屋なし」。一度食べた人は、繰り返し買い求めるほど人気があります。
酒田市の北部、旧本楯村豊川地区は鳥海山から流れる日向川と荒瀬川の合流点にあり、その一帯が昔は刈屋という地名でした。この場所に、1900年ごろ長十郎が導入されると、「味のよい長十郎の産地」として知られるようになりました。その味の秘密は、川の氾濫などにより、鳥海山のブナの養分をたっぷり含んだ土壌が長い年月をかけて堆積したことと、いつでも西風が吹いているという環境などにあると言われています。そして、産地の人々の努力の賜物でもありました。
丹念な土づくりから始まり、受粉は綿棒を使い一つ一つ手作業で行います。人口受粉の後30日以内に摘果して余分な実を落とします。数を制限することで、果実の細胞数が多くなり、きめの細かい、緻密な果肉になります。そして、8月下旬に収穫を迎えます。
日本のなしの栽培品種は昭和40年代まで「南の二十世紀、北の長十郎」の二強時代が続きましたが、昭和50年代になると「幸水」「豊水」「新水」の「三水」時代を迎え、果肉が緻密で甘い「幸水」と、多汁で酸味と甘さのバランスがよい「豊水」が主流となりました。
「幸水」は、甘くジューシーで、果肉の細やかさと水分が絶妙にバランスがとれています。一方、「幸水」のあとに収穫される「豊水」は、「幸水」に比べると酸味が感じられます。
さらに現在では、より甘みの強い「あきづき」や「南水」といった新しい品種の導入も進んできています。
豊かな気候・風土の恵みと伝統に育まれた山形県の日本なし、ぜひ味わってみてください。
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・山形のうまいもの「日本なし」
https://www.yamagata.nmai.org/crops/umaimono/fruit/pear.html