荒波で育った「サザエ」
殻のまま火を通す“サザエの壺焼き”でおなじみの巻貝。庄内浜で育ったものは、殻にとげがついているものが多く見うけられます。一説には荒波で育ったサザエは流されないようにゴツゴツしていますが、穏やかな海で育ったものは流される心配がないため、とげのないツルリとした殻になると言われているとか。
磯見漁業
サザエは水深10メートル以浅の磯漁場で船上から箱眼鏡で海底を覗きながら、長いヤスで突いて捕る磯見漁で漁獲します。
「サザエはなぜか月夜の晩にぞろぞろと、お月見でもするように磯の上まで這い上がって来る習性があるらしく、人々は初夏から中秋にかけての月の晩、たいまつ片手に先を争って磯を目がけたという。」──飛島で郷土史家から聞いた話です。