「うるい」
シャキッとした歯応えでクセがなく、軽いぬめりも魅力。早春の訪れを伝えるうるいは、オオバギボウシとも言われ、北海道から本州にかけて多く自生するユリ科の多年草です。山形県では、村山地域、最上地域を中心に栽培が行われ、冬季のハウスでの促成栽培のものと、春の訪れとともに出荷時期を迎える露地栽培のものがあります。
2020年2月27日掲載
シャキッとした歯応えでクセがなく、軽いぬめりも魅力。早春の訪れを伝えるうるいは、オオバギボウシとも言われ、北海道から本州にかけて多く自生するユリ科の多年草です。山形県では、村山地域、最上地域を中心に栽培が行われ、冬季のハウスでの促成栽培のものと、春の訪れとともに出荷時期を迎える露地栽培のものがあります。
ハウスでの促成栽培は、雪の多い地域での冬春作物の一つとして作られています。温床の上にモミガラを敷き、根株を並べて土をかぶせ、十分水を与えてからビニールトンネルで囲い、内部を20度で一定に保ちます。芽が伸び始めたら成長に合わせてモミガラを入れ、茎部分を白く軟化させます。葉が開き始めたら、上の葉だけに光を当てて緑化させます。収穫時の長さは20〜25cm。葉の鮮やかな緑と、茎の透き通るような白さの美しい対比をうみだすには、微妙に調整しながら光を当てるなど、高度な栽培技術が必要です。
また最上地域では、同様の促成栽培でも、光を遮断することで白さと柔らかさを強調したうるいを生産。「雪うるい」のブランド名で出荷し、生でも美味しく食べられる食材として注目を集めています。
2019年3月に地理的表示(GI)保護制度に登録された「小笹うるい」。栽培方法やおいしい食べ方について学び、手作りマヨネーズで食べる食農体験教室が2020年2月上山市立宮川小学校で行われました。地元の農や食に触れ、農業や食の大切さについて理解を深めることを目的に、県と包括連携協定を締結しているキユーピー株式会社、小笹うるいを生産・出荷している山形農業協同組合が連携して開催したものです。
小笹うるいは宮川小学校の地元・小笹地区を中心に生産されています。地産地消授業、マヨネーズ教室を体験した4年生の皆さんは、小笹うるいに手作りマヨネーズをつけてぱくり!「ぬめりがあっておいしい!」「マヨネーズをつけると食べやすい、もっとおいしい!」と歓声があがりました。小笹うるいを通して、地域の農業や食への関心が深まったようです。
うるいはアク抜きの必要がなく、生のままお好きなドレッシングをかけて、おいしく食べることができます。くせのない味わいは「山菜はちょっと苦手」という方でも、サラダや和え物、浅漬けなど普段のお料理に手軽に取り入れていただける食材です。山形の早春の味覚、ぜひご賞味ください。